専門家に任意整理の手続きを依頼しました。
私は自営業を営んでいますが、事業がうまく行かず、収入はその日暮らしにまで落ち込んでいました。
それまでも、事業資金をビジネスカードローンで借りたり、
生活費をカードローンで借りたりと自転車操業状態でした。
そして、返済が滞る日数がどんどん長くなり、債権者からの取り立ても厳しくなっていきました。
さすがにこれ以上は無理だというところまできたとき、
たまたま街中で見つけた「借金問題解決します」という看板を見つけました。
それに吸い寄せられるように、専門家の事務所を訪ねたのです。
そこでは、借金を返済できる範囲まで軽減して、生活や事業を立て直す方法として、
債務整理という手続きがあることを教えてもらいました。
債務整理にもいくつか種類があるのですが、任意整理だけは裁判所を利用せず行えることを知ったのです。
私は事業主として事業を営んでいますから、裁判所を利用することで
取引先等が知るところとなり、信用が失墜するのを恐れました。
また、日々の生活費を得るためにも、仕事を休むわけにはいきません。
裁判所を利用する手続きでは、平日の昼間に多くの時間が取られることになります。
なので、当事者間の話し合いで済む任意整理に魅力を感じたのです。
もし、私のように仕事や子育て、介護等の理由で裁判所に出向く時間が
取れないといった方は、任意整理が利用しやすいかもしれません。
手続きを専門家にお願いすれば、自分は大きな手間をかけることなく、借金の減額により返済負担が軽減されるのです。
全国対応。メールでのご相談は、365日 24時間受付中。
任意整理に必要な費用とは?
任意整理とは
借金の負担が大きくて払い切れない、減額したいという場合に用いられる債務整理の方法が、任意整理です。
裁判所などの公的機関への手続きを必要としないという特徴を持っています。
債務者との契約を結んだ弁護士または司法書士が、債権者である金融業者などと直接交渉を行い、
利息の引き直し計算を行なって過払い金を請求します。
そして、利息分をカットして元本のみの返済にするように要求したりして、毎月の返済額を減額する手続きです。
費用はかかるがメリットは充分
弁護士などを通さずに、債権者との交渉を自分自身で行なうことも出来なくはありません。
しかし、債務者本人との交渉には、債権者側が応じることはないというのが実情です。
自分で交渉出来れば費用の節約にはなりますが、現実的ではないでしょう。
そもそもお金が足りなくて悩んでいるのですから、費用が気になりためらうのは当然です。
しかし、やはり専門家に間に入ってもらうことで生まれるメリットもありますし、交渉もスムーズに進みます。
借金問題の解決に強く信用のおける弁護士を探して依頼した方が良いと言えるでしょう。
着手金の相場
任意整理の手続きにかかる費用は、その事務所によって異なります。
しかし、着手金の相場として、だいたい1社あたり3万円程度を見ておくと目安になるでしょう。
つまり、複数の金融業者から借金をしている多重債務者の場合、
例えば3社の借金を任意整理しようとすると、9万円を用意する必要があるということです。
ただし、任意整理は複数の金融業者を取り引きがある場合でも、
そのうちの1社だけを選んで行なうことも出来ますので、よく考えて依頼するようにしてください。
報酬の相場
着手金の他に、任意整理の手続きによって減額することができた負債額の、
およそ1割が弁護士などの専門家への報酬となるのが相場です。
例えば、1社に100万円の負債があった場合で、任意整理によって
40万円の減額に成功したとすると、その1割で4万円が報酬です。
着手金と合わせると、7万円を支払うということになります。
金融業者3社にそれぞれ100万円の負債があります。
そしてその全てを同じように任意整理したとしたら、着手金として3万円×3社で9万円、
減額できた報酬として4万円×3社で12万円、合計21万円を用意しなければなりません。
任意整理後の返済は弁護士を通して行う
任意整理後の返済について
任意整理後は利息がカットされて元金だけの返済がはじまります。
月の返済額、返済期間が決まり、それに従って返済していくことになります。
債務整理前と異なるのは、借りることができなくなることです。
以前は、返済するお金がないので、借りて返済するという繰り返しになっていた方が多いでしょうが、
借りることができなくなるので返済のみとなります。
5年間はブラックリストに掲載されるので、1円も借りることはできませんが、
これは借金をそれ以上増やさないためにも有意義なことと言えるでしょう。
お金を借りられないことは、ネガティブではなくポジティブに捉える必要があります。
返済計画は弁護士から伝えられることになります。
債権者が指示をしてくるのではなく、弁護士が書面で通達してくれるのです。
その内容に従って返済をしていくのですが、注意したいのは再び遅延をしないことです。
一般的に2回以上遅延をすると、一括請求をされると言われています。
返済頻度は月1回が基本ですから、2ヶ月間遅延すると元金をまとめて一括返済しないといけないのです。
これは当然無理なことでしょうから、任意整理後は絶対に遅延しないように返済していきましょう。
万が一、遅延をして一括返済を迫られた場合は、再び任意整理の手続きをしないといけなくなります。
任意整理は何度でも行えますが、いちど片付いた借金に対して行うのは金銭的理由からも好ましくないでしょう。
いちどの処理で解決するようにしっかりと返済してください。
費用の確認
任意整理の費用はだいたい決まっていますが、弁護士事務所によってやや差があります。
最近は弁護士事務所のCM宣伝が活発になり、
それに伴って値引き価格や格安価格をアピールする事務所が増えてきました。
任意整理の費用体制は、一般的に1社の整理につき3万円程度となっています。
この金額は初期費用、手付金など、複数の呼び名があります。
そのほかの報酬としては、過払い金が発生している場合に発生する報酬で過払い金の一部を弁護士に支払うものです。
報酬20%と設定されている場合、100万円の過払い金のうち20万円を弁護士に支払います。
手元には80万円残りますから、弁護士に支払う総報酬以上の金額となるのです。
弁護士に任意整理を依頼して赤字になることはまずありません。
よほど借金額が少ない場合は可能性はありますが、数万円程度の借金では任意整理の必要性はないはずです。
月々の支払額が減り、完済への近道
任意整理で返済計画を立て直そう
多目的のローンは非常に便利ですが、利息が大きく多重債務を招きやすいのが欠点です。
借金地獄といえば住宅ローンを思い浮かべる方が多いでしょうが、
カードローン、キャッシングなどの遅延による借金地獄も少なくありません。
債務整理を決めるタイミングは、完済ができないと分かった時です。
完済できないのに無理をして返済をしても、借金はますます増えていくだけです。
利息分の支払いだけどうにか続けたとしても、永久に完済できないでしょう。
完済できなければ、選択肢は債務整理しかないのです。
任意整理をすれば、今よりも確実に返済は楽になるでしょう。
費用を考慮しても、ほとんどの場合において整理するメリットが上回ります。
費用を確かめておこう
任意整理の費用として必要となるのは、着手金、報酬、成功報酬の3つとなります。
弁護士事務所によって呼び名は変わりますが、その内容は同じものです。
着手金とは手付金とも言われており、いわゆる初期報酬のことですが、
これについてはゼロ円とする事務所が多くなっています。
そのため、具体的な弁護士報酬となるのは、1社につき2~3万円程度となります。
3社のローンを整理する場合は、6~9万円と消費税になるのです。
事務所によっては、1件あたりの報酬を着手金と呼んでいることもあります。
成功報酬は、過払い金が返還された場合に支払うお金です。
こちらも弁護士事務所により、15%、21%など割合に違いがあります。
100万円の返還を受けた場合、15%だと15万円が成功報酬となるわけです。
成功報酬の金額はかなり大きくなりますが、過払い金がゼロであれば1円も発生しません。
過払い金が多く発生しているほど、成功報酬を支払っても手元に残るお金は多くなります。
相当な過払い金が発生していると想定できる場合は、成功報酬の割合の低い事務所を利用したほうがいいでしょう。
100万円の過払い金が発生した場合、成功報酬20%と25%では5万円も報酬額が変わってきます。
任意整理をして損をするというケースは、借金残額が1~2万円しかないような場合でしょう。
これならば弁護士報酬のほうが上回るので依頼するメリットはありませんし、
そもそも数万円の借金を整理するために任意整理をする人はいないはずです。
弁護士に相談する時点で、少なくとも数十万円の負債を抱えている方がほとんどなので、
ほぼ100%の方は弁護士に支払う費用を考慮しても、債務整理をしたほうがいいわけです。