任意整理は最も行いやすい手続きとして有名です。
任意整理は借金地獄からの救済手段である債務整理手続きのなかでも、
最も行いやすい手続きです。
というのは、裁判所を介する必要がなく当事者間の話し合いのみで行えるためです。公的な機関が入るとなると、申請書類の作成やら裁判所への出頭やらと手間も負担もかかります。
この点、任意整理なら弁護士や司法書士に依頼すれば、
自分は大きな負担なく債権者と債務の減額交渉をしてもらうことが可能です。
とはいえ、専門家に依頼するとなればお金がかかります。
借金の返済に困っている状況ですから、費用がかかるとなると躊躇される方もおられるでしょう。
ですが、それは専門家も分かっているので、最初から多額の費用を請求することはありません。
最近の事務所では相談料は無料、着手金は低額もしくはなしで借金減額後に成果に応じた報酬を取るところが多くなっています。減額により資金に余裕ができれば、報酬を支払うこともできますし、中には分割払いに応じてくれることもあります。
任意整理をする前に専門家に依頼するには費用がかかることを知り、費用がどのくらいかかるかを明確にしておきましょう。
事務所によって大きく費用に差が出るので、様々な事務所を比較検討することも大切です。
もっとも費用の安さだけでなく、交渉力やこれまでの実績もよく確認してください。
任意整理は、あくまでも債権者が減額案に同意してくれるかにかかっています。
思うような同意が得られない、交渉では意味がないからです。
全国対応。メールでのご相談は、365日 24時間受付中。
任意整理はどんな事務所にお願いするべきか?
任意整理は専門家に依頼しよう
任意整理は、借金地獄から脱出するための債務整理手続きの1つです。
高金利のカードローン等を利用したり、借金の返済のために借金を重ねてしまうなど、
多重債務で苦しんでいる方は少なくありません。
利息が膨らむと収入だけでは返すのが難しくなり、生活費にも困るケースもあります。
そうしたときに、債務者が債権者と話し合いを行い、債務の減額をお願いする手続きです。
債務の全額免除を受けられるわけではありませんが、現在の収入で返せる額までに減額してもらうなどし、
それ以外の部分は免除するよう話し合いを行います。
もっとも、本来、返す約束をしているわけですから、その後の事情で返せないといっても
債権者は直ぐに首を縦に振ってはくれません。
お金を借りた立場にある債務者は債権者に対して弱い立場にあり、対等な関係で話し合うのは困難です。
そこで、任意整理を成功させるには司法書士や弁護士等の交渉のプロにお願いするのが賢明です。
金融や法律知識に長けているうえ、交渉ノウハウを持っているので、頼れる専門家といえます。
専門家の選び方
もっとも、司法書士や弁護士なら誰でもいいというわけではありません。それぞれ、専門分野や得意分野があるからです。
中には借金問題の解決は不得手で、任意整理を行った経験がない方もいます。
ですから、まずは借金問題に詳しく任意整理を得意とする専門家を探す必要があります。
事務所全体で借金問題の解決に力を入れているところもあるので、
インターネットや車内広告等を参考にリサーチしてみましょう。
ただし、宣伝が盛んだからいいところとは限りません。ピーアール広告よりも、実際の実績を確認してください。
ホームページ等には、成功事例などが詳しく書かれている場合もあります。
自分の状況と似た人や、それよりひどい状況でも成功した人はいるか確認してみましょう。
また、ホームページとは別に一般の利用者による口コミサイト等で評判を確かめて、第三者の意見もチェックします。
そして、もう1つチェックが欠かせないのが、料金です。
借金を抱えて返済に困っているのにお金が必要なのかと依頼を躊躇する方もいますが、
事務所としてもその状況は分かっているため、支払い方法なども考えてくれています。
もっとも、料金設定は様々なため、良心的なところを探すのが賢明です。
相談料無料、着手金ゼロ、報酬は減額された金額の何割などと定められているので、
料金の見積もりをもらって比較検討しましょう。
任意整理の費用と利用できる人
任意整理にかかる費用の相場
任意整理を行うには所定の費用がかかります。その一つが相談料です。
これは自分の現在の状況を司法書士や弁護士といった専門家にヒアリングしてもらったり、
借金解決に関する疑問や悩みを打ち明けたりなどを行うための費用です。
現在では多くの司法書士や弁護士の事務所では相談無料が一般的となっており、
相談をするだけであれば何回でも無料としているところも少なくありません。
着手金は手続きを開始するときに支払うものです。
この料金は依頼者が任意整理を途中でやめてしまうことがないように
という目的で徴収するもので、平均的な相場は1万円となっています。
この料金も基本報酬から差し引きとしていたり、徴収しない法律事務所などが増えてきています。
そして、メインの費用となるのが基本報酬です。
これは専門家に直接支払う報酬で、平均相場は債権者一件につき2万円から3万5000円前後となっています。
もし減額される借金より専門家に支払う報酬が多くなってしまう場合でもきちんと教えてもらえますので心配は要りません。
減額報酬は任意整理によって減らせた借金の中から成功報酬として
専門家に支払うことになっている料金のことで、減額できた借金の1割~2割が相場です。
しかしこの報酬を取らない専門家も増えてきています。
どんな人が任意整理を利用できるのか
任意整理は誰でも利用できるというわけではなく、利用するためには所定の条件を満たさなければなりません。
また、場合によっては利用することで不利になってしまうこともあります。
住宅ローンを任意整理してしまいますと自宅が差し押さえられてしまいますので、
住宅ローンの延滞などを解決したい場合は別の方法を選ぶようにしましょう。
任意整理を行う条件は将来借金が支払えなくなるおそれがあること、
任意整理をすれば3年以内に借金を完済できるめどが立っていることです。
また、返済に充てられる収入があること、連帯保証人への請求をどうしても避けたい借金があること条件になります。
そして、任意整理をした後最後まで返済を続けていくという固い意志があることです。
このような条件を見ますと、会社員や公務員など、正規に雇用されている人たちでなければ
任意整理ができないように見えますが、実際はそうではありません。
パートやアルバイト、派遣社員の人であっても条件を満たせば行うことができるのです。
任意整理は借金の理由を問わず行うことができるのも利点です。
ギャンブルにはまってしまった為に多くの借金を抱えた人や、生活に困って
借金を重ね多重債務者になったという人でもこの方法で借金問題を解決することが可能です。
借金をしている人が無職である場合でも家族などが代わりに借金を完済するという条件であれば任意整理ができます。
任意整理のメリット・デメリットとは
任意整理のメリット
任意整理とは多重債務等により借金の返済が困難になった方が、債権者との話し合いによって債務を減額してもらい、
返済の軽減による生活の立て直しを図る手続きを指します。
メリットとして借金地獄から抜け出し、家族崩壊等の危機を回避して生活再建の道が開けることが挙げられます。
また、他の債務整理手続きが裁判所を通じて行われるのに対し、
これは債権者と債務者による任意の話し合いによるため、裁判所を通じる必要はありません。
裁判所に申し立てるとなると、手続きが複雑であったり、公的機関を利用するというプレッシャーが生じることがあります。
しかし、任意での話し合いになりますので、気軽に利用することができます。
裁判所を通じた債務整理は、原則として現在お金を借りている全債権者に対して、
平等に減額や免除の手続きを行う必要があります。
ですが、任意整理はあくまでも任意で、債権者との話し合いも個別に行われます。
そのため、高金利の債務だけ減額してもらうとか、住宅ローンやマイカーローンなど、
維持したい財産に関するローンに関しては行わないなどの選択が可能です。
個別の債権者との話し合いになり、金融機関や貸金業者などの業者であれば、
個人情報の守秘義務がある為、債務整理を行っている事実が職場の人や知人にバレる心配もありません。
自己破産のように、手続き中に職業制限を受けることもないため、普段と変わらず仕事もできます。
任意整理のデメリット
任意整理のデメリットとしては、任意の話し合いなので、債務者の減額提案に応じるかも
債権者の自由である為、場合によっては合意に至れないケースがあることです。
そのため、一般的には交渉のプロである弁護士や司法書士に依頼することになります。
自分ひとりで話し合いに臨めば費用はかかりませんが、専門家に依頼する場合には報酬等の費用がかかることになります。
その場合でも中には話し合いが長期に及んだり、結果的に合意が得られないケースもあるので注意しましょう。
任意整理が行われると、一般的な目安として利息がゼロとなり、
残った元本部分のみを3年から5年で分割返済しなければなりません。
債務の免除が受けられるわけではなく、あくまでも支払いが残るので誤解しないようにしてください。
任意整理を行うと、合意をしてくれた債権者が信用情報登録機関に情報を提供し、債務整理という事実が登録されます。
これにより、その後、登録が抹消されるまでの5年から7年程度は、
どの業者からも新規の借入れやクレジットカードの作成ができなくなります。